アラズヤ商店

日々のナマキズ

運転が下手になるほどお酒を飲む資格がないイヤそんなことはないそういう時代ではない

コロナ云々で世間がアホになってからこっち、全然お酒が美味しくなってしまいました。

それほど飲むタチではないけれど、一日の終わりには何となく飲みたくなるタチでこそありますし、長年の習慣でキッチンドリンカーであるあたしは自宅では落ちついて飲むよりも、食事の用意をしながらちらちらと飲むビールの方が俄然美味しくいただけるタチでもありまして、もはや居酒屋にてワイワイガヤガヤとか、そんな腰を据えたの味方にはツメの先ほども自信が持てなくなってしまったわけです。

 

 

そんなさなか、この騒ぎ。

もはや、不謹慎ですらあります。

何しろあたくし、平日はほぼ働いておりませんから、たとえ一日の終わりとはいえお酒を飲む資格などあろうはずもありません。

資格どころか一日が始まらぬまま終わるわけですから、一体いつが朝で夜なのかさっぱりで、いよいよ曜日どころか日にちすら危うい認識で生きておるわけでつまり、お酒なんて不用意に飲んで酔っ払ってしまったものならまさに前後不覚、明日が今日やら寝たのか醒めたのか時間の見境もつかないほどにゆるゆると朝のような夕を迎えてとうとう、……車の運転すら覚束なくなりました。

 

 

あたくし、今日日めずらしくマニュアルの車に乗っておりまして、床から突き出た棒状のものを常にガチャガチャと動かしてつつ、左足などもぺっこんぺっこんと忙しく踏み荒らしつつ車をコントロールする日々わけなのですが、それにしてもこうも出歩かずに暮らしておりますと、そもそもそれほど運転技術には習熟し難いタチのあたくしといたしましては、例えばクラッチの踏み代、つまりギアチェンジの際にショックをやんわりとやり過ごすべく慎重に左足の感覚をコントロールするわけなのですがそこで困った、元来ガサツな性分であるあたしは案外やっぱり適当で、そのうち思い出すでしょと何となく操るのはいいのですが、どうにも些細にギクシャクと車体を揺らしますし、何やらやかましくエンジンを余分に吹け上がらせたりとまったく照れ臭いような運転をやらかしまして、先ほども一人暮らしの娘の部屋にちょっとした食事のお届けとお節介ながらのお掃除をしに参りましたところその行き帰りのあたしの運転技術のままならなさときたら、”いい加減働こうぜ、表に出ようぜ”といった悲しみに満ちたクオリティに他ならない往復八キロとちょっと、たったそれだけの子離れ親離れを促すミニマムな人生設計こそ近頃の奨学金問題に一撃を喰らわす渾身のカウンターカルチャーであることだなあ、などと独り言ちつつギクシャクぶおんぶおんと帰って参ったわけなのですが、アレですね、あまりにも外に出ずにいると夜の行動すらちらちらとまばゆく視界を奪われるものなのですね、てっきり自分はモグラにでもなったのかと勘違いしてしまうほどに道々の明かりが網膜に突き刺さるように明滅してふらふらと、ギクシャクぶおんぶおんと走らせるマニュアルの自家用車を操り損ねそうな緊張の中、何とか無事に自宅に帰還したわけであります。

 

そんなこんなで、お疲れさんでした自分、と今宵はビールを飲むことにしました。

これっぽっちも美味しくありません。

ですが、何とか今日も無事に便秘気味の猫がウンチをしてくれたので、安堵の一杯です。

もう少し多めにひり出して欲しいところではありましたが。